学校パソコンの雷対策していますか?
近くで雷が鳴った後や落雷により、大切なデータが入っている小中学校のパソコンに大きな被害を与えることがあります。パソコンだけならまだしも、校内共通サーバがやられてしまうと、共有データすべてが破損したり校内ネットワークの基幹機器であるL3スイッチが故障すると校内LANのすべてが停止しかねません。
とある落雷の多い山間部の学校では、雷の被害で数百万の損害がありました。(まぁ、校庭に設置してあった蛍光灯が破裂するほどの被害ではありましたが・・・)多くの原因は、停電と雷サージと言われています。学校でできる落雷対策をご紹介いたします。
停電
台風や突然の停電により電力の供給が急に停止することで、校務用パソコンやパソコン教室、サーバの電源がいきなり落ちてしまい、記憶装置である内蔵ハードディスクに傷をつけてしまうことがあります。
ノートパソコンであれば、バッテリーを内蔵しているので大丈夫だと思いがちですが、学校のノートパソコンって、最初からコンセント差しっぱなしでバッテリーが劣化し充電できないケースって多いですよね?
バッテリーが充電できないノートパソコンも、停電時にはデスクトップパソコンと同じように注意が必要です。このようなケースでは、ハードディスクの影響はもちろん作業中のデータも未保存であれば消えてしまいます。
ハードディスク(パソコンの記憶装置)への影響
急な停電は、作業中のハードディスクに大きな影響を与えます。例えば、Windowsの更新中や、チェックディスク中に電源供給がストップしてしまうとWindowsを起動する為のプログラムが破損して正常に起動できなくなったり、最悪ハードディスク自体に損傷を与えて損害のないデータの救出も難しくなる場合があります。
雷サージ
雷サージと言われる、雷による一過性の過電流によりパソコンやサーバ制御できないほどの負荷がかかり、電源ユニットやマザーボードなどの内蔵部品が故障します。
特にパソコンや通信機器などは、この「サージ」に とても弱く、LANケーブルの差込口であるLANポート・NIC(ネットワークインターフェースカード)は高い確率で故障するころがあります。やっかいなのはこの「サージ」は、LANケーブルがつらなるHUBを通じて校内LAN内全体を広範囲に被害を起こします。
パソコンだけでなく、HUBにつながる無線アクセスポイントも故障します。インターネット回線が「ADSL」の学校は、電話線を通じてモデムの故障が多いです。
雷サージの種類
- 誘導雷 電線から電話線や電源コンセント経由で侵入
- 侵入雷 空気中を伝わって侵入
- 直撃雷 接続された電線に直接落雷して侵入(危険性大)
雷サージの特徴
- 木や建物、地面などに直接落雷することで発生
- 落雷で発生した強い電磁界により、電線や情報通信線に引き起こされる電磁誘導で発生
- 避雷針に落ちたとしても、周辺には誘導電流でサージが発生
- 直接的な落雷があった地点だけでなく、周辺の地域でも電線や地面を通じて雷サージが流れ、広範囲に影響と被害を与える
- 機器に電源が入ってなくても、電源コンセントや電源ケーブル、電話線などを通じ逆流的に被害を与える。
雷サージ被害実例
実際に被害があった学校のL3スイッチ(校内基幹ネットワークセキュリティ機器)の被害例をご紹介します。基盤をのぞいてみると焼損がはっきりと確認できます。ちなみに機種は学校のHUBでよくみかけるグレーの筐体が有名なアライドテレシス製です。
この写真は、落雷の被害にあった機器がリース契約だった為に動産保険の適用を受けるために撮影したものです。
学校でもすぐにできるパソコンの雷対策
学校でパソコンを使った校務をしているときに雷注意報・警報が発報された場合や、遠雷が聞こえた場合などは以下の対策を行ってください。
- パソコンなどを終了して電源をきる。
- パソコンなどに接続するLANケーブルと電源ケーブルを取り外す。
- モデムやルータなどネットワーク機器の電話線を抜く、電源ケーブルを抜く。
- もしものために、データのコピーを外付けUSBメモリなどに取る
電源を落としていても、コンセントにつながっていれば「雷サージ」は侵入してきます。面倒くさいとは思いますが、日ごろデータのバックアップと取らずデスクトップ上にいっぱいアイコンを作っている先生であれば特に気を付けましょう。
落雷対策の機器を取り入れる
「雷サージ」対策用の電源タップ
サージプロテクターやサージガードと呼ばれる、「雷サージ」対策用の電源タップなどを学校のパソコンに取り入れましょう。
落雷被害の確率を減少させることができます。電源タップタイプや、電話線・LANケーブルの対応商品も豊富に選択しがあります。しかし、これらの商品は必ず守ってくれるわけはありません。落雷状況によっては、活躍してくれない場合もあります。
また、一度でも守ってくれた場合はすでに効果がなくなっている場合がありますので注意してください。あくまでも保険のひとつとして導入の検討をしてください。
電源コンセントと電話線を一緒にガード
コンセントと電話線をまとめて対策できるのでサーバラックなどにおすすめです。
電源コンセント用コンパクトタイプ
コンパクトタイプなので、廊下などにあるHUB収納ボックスなどに利用できます。
LANケーブル用

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サージプロテクターは、使い捨てのや使用回数に限りがあるものがありますのできちんと運用方法を管理して利用しましょう。
UPS(無停電電源装置)
学校にサーバなどがある場合、必ずといっていいほど設置してあるのがUPS(無停電電源装置)です。あれって実は、停電対策だけでなく雷対策にもなるって知っていましたか?多くのUPS(無停電電源装置)で、上記でご紹介したサージプロテクター機能がついています。
UPSとは
UPSは無停電電源装置と呼ばれ、予期せぬ停電のためにパソコンやサーバなどを安全にシャットダウンするため「バッテリー」です。電源コンセントと機器の間に設置し、電源の共有が遮断された場合に電源管理ソフトなどを利用して自動でシャットダウンさせることができます。
「バッテリー」ではありますが、長期的な電源供給のためのUPSはあまり学校にありません。あくまでも一時的なものとなります。学校のUPSがアラーム音を鳴らしている場面に遭遇された先生も少なくないと思いますが、ほぼ「バッテリー切れ」か「停電」のどちらかです。
業者さんにバッテリー交換をお願いするか、停電の原因を探しましょう。ちなみに、バッテリーの交換ってすごく簡単なので学校予算を節約したい場合は検索してみましょう。
参考例 バッテリ交換手順 (SUA500JB, SUA750JB タワー・ユニット)
学校のUPS(無停電電源装置)メーカーで多いのは、オムロンかAPC(シュナイダーエレクトリック)です。
注意してください!!!
学校の近くで落雷音が聞こえ始めたり、近くの落雷により電気が一瞬暗くなるなどし始めた場合は以下の事に気をつけてください。最悪、誘雷や放電現象等により感電や火傷に繋がり大変危険です。
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- 電源コンセントをぬくために、分電盤・電源コンセントの近くにいかない。
- 壁や窓から離れる。
- 電化製品の近くから離れる。